作業療法士になるには

作業療法士を目指す人からのよくある質問

Q.理学療法士と仕事内容が被っている気がしますが、明確な線引きはありますか?

A.理学療法は筋肉や関節を楽に動かせるようにリハビリテーションを行って、普通の生活が出来るように促します。作業療法士は患者の趣味や嗜好も取り入れてリハビリテーションを行うため、意欲が続きやすく回復に向けて誘導しやすいです。理学療法とはアプローチ方法を変えて患者の回復を促進するため、その部分が理学療法士の仕事内容と違います。勤務先によっては理学療法と作業療法の役割を一人で行う場合もあります。

Q.作業療法でよく使う絵画や習字、編み物が苦手ですが、練習しておいた方が良いですか?

A.作業療法で行うことは、絵画や習字などだけではありません。物を掴む、握る、投げるなどの操作ができれば良いのです。患者の中には絵画や習字が苦手な人もいます。園芸や陶芸などプロみたいに上手くなくて良いのですが、患者が高齢者の場合は園芸を逆に教わりながらリハビリテーションを勧めていくこともあるのです。すると脳の働きが良くなって回復が早くなった例もあります。型にはまらず色々な方法でリハビリテーションに繋げていきましょう。

Q.就職した後に作業療法士国家試験の合格発表があるのですが、もし落ちていたらクビになりますか?

A.職場によって作業療法士の有資格者を求めているなら、退職をしなければならない場合もあるでしょう。採用の時にどのような対応かよく確認しておきましょう。引き続き勤務できる場合は「作業療法助手」となり、給料が低く抑えられます。さらに来年の国家試験まで再度勉強しなければならないので、落ちてしまった時のシミュレーションをしておきましょう。

Q.先輩から作業療法士は、患者さんのお世話をする仕事内容だと言われましたが本当?

A.作業療法士が行うリハビリテーションの中には、顔を洗ったり服を着替えるなどの日常的な動作も、リハビリテーションの一環となります。そのため作業療法士と介護職員の業務内容が被ると思われてしまいますが、作業療法士は患者が着るときに「もう少し脇を締めるように手を伸ばすと楽に袖が通りますよ」など身体構造や患者の症状に合わせたアドバイスが出来て、それは介護職員には出来ないことです。普段の生活の中の動きを回復に向けてリハビリテーションに繋げていけるのは、作業療法士の仕事なので、一見行っていることはお世話に見えても内容としては全く違うのです。